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2001年11月24日(土)【宮崎市】
台湾人の写真家、林添福さんのボランティア通訳を務める

宮崎県立美術館で「第2回ドキュメンタリーフォトフェスティバル宮崎」と題して、招待写真家3人の写真展が開かれた。その3人の中の1人に台湾から招待された写真家、林添福さんがおられた。僕はこの日、市の国際交流協会の依頼を受けて林さんのボランティア通訳を務めた。僕自身、中国で結構中国人の友人の世話になったので、その恩返しではないが、日本に来られた中国人の手助けになればと国際交流協会にボランティア通訳の登録をしたのだった。林さんは日本語が全く分からないので、写真展に来られたお客さんが林さんに質問や交流する時に、間に入って通訳をした。林さんの写真のテーマは「いのしし」。子供が豚の上に乗って遊んでいる写真や豚と一緒に誇らしげに若者が写っている写真。すべての写真に中国の少数民族と豚が写っている。写真展に来られたお客さんの一番の関心が、「どうしてここまで豚にこだわるのだろう?」というこうとだった。林さんは次のように説明してくれた。

「豚」という文字の右側を良く見ると、これは「家」の文字の下の部分にありますね。つまり、もともと古代から私たち人間と豚は共生してきた。ところが今は人間が一方的に豚を食べるばかりだ。今の中国の少数民族の生活では、まだこの豚と人間との密接な関係をはっきりと見ることができる。普通は半年くらいで豚を殺して市場に出すところを、彼らは2年くらいかけてゆっくり養う。私は、もともと雑誌社から少数民族の撮影の依頼を受けて、台湾から大陸に飛んだ。しかしよく少数民族を撮影していると、彼らと豚との関係が切り離すことができないことに気づいたのだ。あと10年もすれば、少数民族の生活の中でさえも、このような豚と人間との光景は見れなくなるだろう。いわば、記録するような思いで、撮影しつづけている。

ボランティア通訳と言えども役割は重大だ。いつも、完璧に通訳できるわけではなくて、時には何と言っているのか分からない時だってある。偉大な写真家の林さんとボランティア通訳を通じて知り合えたことは非常に光栄だった。僕はプロの通訳ではないが、言語と言語の仲立ちをする「通訳」という仕事は実に素晴らしいなあ、と実感した。


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