ここまで、Google Colab上でPythonを体験してきましたね。
今回は、いよいよ 自分のパソコンでPythonを動かせる環境を整える 方法を学びましょう。
これを「環境構築(かんきょうこうちく)」といいます。
ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、手順を追えば誰でもできます。
■ なぜ環境構築が必要なの?
Google Colabはとても便利ですが、ネット環境がないと使えません。
また、プログラムをファイルとして保存したり、アプリを作ったりするには
パソコン上でPythonを直接動かす環境が必要になります。
Colab:オンラインで手軽に練習できる
VS Code + Python:自分のパソコンで本格的に開発できる
この2つを使い分けられるようになると、ぐっと自由度が広がります!
■ ステップ①:Pythonをインストールする
まずはPython本体をインストールします。
1️⃣ Python公式サイトにアクセス
2️⃣ 「Download Python 3.xx」ボタンをクリック
(xxの部分は最新の数字でOKです)
3️⃣ ダウンロードしたインストーラーを開いて、
「Add Python to PATH」にチェックを入れた状態で
Install Now をクリックします。
💬 Add Python to PATH にチェックを入れるのを忘れると、
コマンドが動かなくなることがあるので注意しましょう。
■ ステップ②:Pythonが正しく入ったか確認しよう
インストールが終わったら、
Windowsなら「コマンドプロンプト」
Macなら「ターミナル」を開いて、次のように入力します。
<Windows>
python --version
<Mac>
python3 --version
出力例:
Python 3.12.5
💬 こう表示されればOK!
数字部分はバージョンによって少し違っても問題ありません。
■ ステップ③:VS Codeをインストール
Pythonを書くためのエディタ(編集ソフト)として、
世界中で使われているのが無料の Visual Studio Code(VS Code) です。
2️⃣ 「Download for Windows」または「Download for macOS」をクリックしてインストール。
3️⃣ 起動後、左側のアイコンの中から
🧩「Extensions(拡張機能)」をクリックし、
検索欄に「Python」と入力 → Microsoft製の「Python」をインストールします。
💬 これで、VS CodeがPythonを認識できるようになります。
■ ステップ④:最初のPythonファイルを作ってみよう
1️⃣ VS Codeで「新しいファイル」を作り、
ファイル名を hello.py にします。
2️⃣ 中に次の1行を書いてみましょう👇
print(f"こんにちは、Python!")
3️⃣ ファイルを保存して、
右上の▶ボタン、または下のターミナルで次のコマンドを入力します。
python hello.py
出力:
こんにちは、Python!
💬 これで、あなたのパソコンでもPythonが動きました🎉
■ うまくいかないときのチェックポイント
| 症状 | 確認するポイント |
|---|---|
python と打っても「コマンドが見つかりません」と出る | PATH設定(Add Python to PATH)を忘れていないか確認 |
| コードを書いたのに文字化けする | ファイルの文字コードがUTF-8になっているか確認 |
| 出力が出ない | print文のインデントやスペルを再確認 |

🔧 環境構築の大切さ
実は、今回の「環境構築」という作業は、プログラミングを学ぶ上でとても重要なステップです。
知り合いのエンジニアは、こう言っていました。
「環境構築ができれば、もう半分終わったようなものだ。」
それくらい、この作業は本質的で奥が深いものです。
なぜなら、プログラムを動かすための土台を自分の手で整えることが、エンジニアとしての第一歩だからです。
たとえば、Pythonをインストールしたり、VS Codeを使えるように設定したりする中で、
- どんな仕組みで動いているのか
- どんなエラーが出たときにどう対処するのか
を自然と理解できるようになります。
「動かす環境を自分で作る」ことができるようになると、
そこから先は自信を持って新しいことに挑戦できるようになります。
最初のうちはGoogle Colabのようなクラウド環境でOKですが、
少し慣れてきたら、ぜひ自分のパソコンにもPythonの開発環境を構築してみましょう。
■ 次のステップに向けて
これで自分のパソコン上でPythonを書けるようになりました。
次回は、ファイルの読み書きやデータ保存など、
「プログラムで外部とやり取りする」仕組みを学びましょう。