今回のゴール
Streamlit(ストリームリット)というライブラリを知り、VS Codeを使って自分のパソコンで実際に動かしてみよう。
◾️ Streamlitってなに?
Streamlit(ストリームリット) は、Pythonで作ったプログラムをそのままブラウザ上で動くアプリにできるライブラリです。
ふだんPythonのプログラムは、黒い画面(ターミナル)で結果を表示しますが、
Streamlitを使うと、まるでホームページのように見た目のある画面を作ることができます。
たとえば、たったこれだけのPythonコード👇でブラウザに文字が表示されます。
import streamlit as st
st.write("こんにちは!Streamlitの世界へようこそ!")
これを実行すると、ブラウザに「こんにちは!Streamlitの世界へようこそ!」と表示されます。
つまり、これだけでPythonの“Webアプリ”が完成です。
◾️ VS Codeで開発する準備
① VS Codeを起動する
Pythonが使える状態のVS Codeを開きましょう。
(まだPython拡張機能を入れていない場合は、画面右下に出る案内からインストールしておきます。)
② 新しいフォルダを作る
自分のデスクトップなどに
streamlit_app
という名前のフォルダを作り、VS Codeで「フォルダを開く」からその中に入ります。
◾️ Streamlitをインストールしよう
Streamlitを使うには、まずPythonの「ライブラリ」を追加する必要があります。
VS Codeの下のターミナルを開いて、次のコマンドを入力します👇
pip install streamlit
💬 コマンドの意味
pipは「Pythonの追加ツールをインストールするためのコマンド」です。install streamlitは「streamlitというライブラリを入れる」という意味。
1回だけ実行すればOKです。インストールが終わるまで少し待ちましょう。
終わったら、ちゃんと入ったかを確認します👇
streamlit --version
バージョン(例:Streamlit 1.38.0)が表示されれば成功です。
◾️ はじめてのアプリを作ってみよう
① ファイルを作る
VS Codeの左上の「新しいファイル」ボタンを押して、
名前を app.py にします。
拡張子 .py は「Pythonファイル」という意味です。
② 次のコードを入力
import streamlit as st
st.title("はじめてのStreamlitアプリ")
st.write("これはPythonで作ったWebアプリです。")
if st.button("押してみる"):
st.write("ボタンが押されました!🎉")
💬 コードの解説
| 行 | 内容 | 説明 |
|---|---|---|
import streamlit as st | Streamlitを読み込む | Pythonでは外部ライブラリを使うときに「import(インポート)」と書きます。as st は「streamlitを st という短い名前で使う」という意味です。 |
st.title("...") | 画面のタイトルを表示 | Webアプリの上部に大きく見出しが出ます。 |
st.write("...") | テキストを表示 | print()のようなものですが、ブラウザにきれいに表示されます。 |
st.button("押してみる") | ボタンを作成 | ユーザーが押せるボタンを作ります。 |
if st.button(...): | ボタンが押されたら… | Pythonの if 文で、ボタンが押されたかどうかを判定しています。 |
st.write("ボタンが押されました!") | 結果を表示 | 条件が真(ボタンが押された)ときに表示します。 |
◾️ アプリを実行してみよう
VS Codeの下にあるターミナルを使って、次のコマンドを入力します👇
streamlit run app.py
💬 コマンドの意味
streamlit:Streamlitを起動するためのコマンド。run:実行する。app.py:実行したいファイル名。
Enterキーを押すと、少ししてブラウザが自動で開きます。
もし自動で開かない場合は、ターミナルに表示されたURL(例:http://localhost:8501)をクリックしてください。
ブラウザにあなたのアプリが表示され、ボタンを押すとメッセージが変わります。
これで、あなたの最初のWebアプリが完成です!
◾️ Streamlitの特徴まとめ
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 🧩 シンプル | PythonだけでWebアプリが作れる |
| ⚡ すぐ動く | コマンド1つでブラウザ表示 |
| 📊 データに強い | グラフや表を簡単に描ける |
| 🧠 AIとも連携 | GeminiやGPTなどのAIモデルも簡単に呼び出せる |
| ☁️ 公開も簡単 | Streamlit Cloudを使えばすぐ共有できる |
「動かす → 試す → 見せる」が1つの流れでできるのがStreamlitの魅力です。
◾️ 僕自身も学びながら
このシリーズでは、僕自身がStreamlitを使って試してきた中で
「ここでつまづいた」「こうしたらうまくいった」という体験を交えて紹介していきます。
コードを打つたびにブラウザが反応する“手ごたえ”を一緒に楽しみましょう。
◾️ 次回は…
次回は 「テキストや画像を表示してみよう!」。st.text()、st.image()、st.button() などを使って、
見た目を整えたり、インタラクティブな動きを加えたりしていきます。
VS Codeで自分のアプリを少しずつ育てていきましょう。
📘 まとめ
Streamlitは、PythonだけでWebアプリが作れるライブラリ。
pip install streamlit でインストール。
streamlit run app.py でブラウザに表示される。