再び北京へ ベタな観光 |
自動販売機のトラブルのこと 僕はすぐ近くにいた空港の職員に事情を話し、担当の人に来てもらうようお願いした。数分後、自販機の担当者が現場に到着。その人は自販機のドアを開けて中を確認したあと、僕らに「希望していた商品は売り切れだから他の商品にしてもらえないか?」と言ってきた。売り切れだから商品が出てこなかった?でも、お金は取られた?日本ではまずありえないことだ・・・。 僕は日本人のおばさんへ今言われたことを通訳してあげた。おばさんは仕方なく別の飲み物を指差すと、担当の人は直接商品を自販機の中から取り出し、おばさんへ手渡した。 おばさんはホッとした感じで、僕に何度も感謝の言葉を述べてその場をあとにした。お礼を言われてちょっとうれしくなってしまった。 僕は当然のことをしただけだ。今では何の緊張も無く、中国を楽しんでいるが、初めて中国に来た2000年、右も左も分からなかったあの頃、困ったときにいろんな人に助けてもらった記憶がよみがえる。今度は自分が恩返しをする番だ。ごく自然な気持ちでそう思い行動している。 もうすぐオリンピック、サービスは確実に向上している オリンピックがやってくるってどういう感じなんだろう?人々はかつてない自信に満ち溢れ、興奮していることだろう。スティーブンたちとの会話でも「オリンピックのときは1週間休日になる」とか「北京はかなりの渋滞になるだろう」とか、オリンピックの話題に事欠かない。1964年の東京オリンピックでも同じように日本は盛り上がったのだろうか? 今回、北京のサービスやマナーに対して僕は興味を持っていた。国を上げてマナーアップやサービス向上に取り組んでいるなかで、どれほどの効果をあげているのか気になっていたのだ。北京で宿泊したパークプラザ王府井ホテルのフロントの対応は清潔感があり、てきぱきしていて気持ちのいいものだった。公共施設の対応も日本と同等とは言えないが、以前に比べるとはるかに良くなってきていると実感した。 ただ、交通マナーはまだまだといったところだ。タクシーに乗ったときにかなりのスピードで飛ばされたので、スティーブンに「こんなにスピード出して、警察につかまらないのか?」と尋ねた。「中国は人が多い。スピード違反をする人も多い。警察は少ないから取締ろうにも追いつかないんだよ」そう教えてくれた。
環境汚染・・・ つい、日本で見た北京の水不足を伝えるドキュメンタリー番組が頭をよぎった。北京は意外にも水資源がきわめて不足している都市らしい。急速に発展がすすむ首都の増え続ける”水需要”、これを救うために、周辺のいくつかの村から水を運んで、首都の水を確保している。ある村では水が豊富であるにもかかわらず、そこの村人たちは自由にその水を使うのを禁じられている。すべて北京へ送り届けるために、その村は犠牲になっているのだ。番組の中で、オリンピックのためというがここまで犠牲にして何のためのオリンピックなのか?と嘆く老人の姿が印象的だった。 人口降雨ロケットを飛ばしてまで水不足を解消しようとする取組みなど、北京の”水”に対する必死の取組みは半端じゃない。僕はオリンピックで華やかな北京の影の部分を時々意識するようにしている。中国は急速に発展していくなかで生じる環境汚染や格差を乗り越えてこそ真の意味での成熟した国家になりえると思う。
そんなとき、僕のところに旧正月を前に中国の友人から贈り物が届いていた。お茶の葉やレトルトの中華料理やお菓子がぎっしりと詰められていた。年に2、3回はいろいろとご当地の特産品を届けてくれる。僕もお礼に和菓子を送るようにしている。 友達には感謝の気持ちでいっぱいだけど、餃子事件が報じられているタイミングだけに、内心は複雑だった。一連の事件のせいで消費者の中国製食品を敬遠する動きが加速している。友達の実家では衛生面にかなり気を使い、こだわりの自慢できるお茶の葉を生産している。真面目に農業に取り組んでいる人たちがいる一方で、こうした事件が起きるのは何とも悔やまれてしょうがない。僕は毎日のようにMSNやSkypeで中国の友達とチャットをしている。皆友達思いでとことん優しく接してくれるやつばかりだ。しかし一方で中国の国家の体質や情報統制のあり方に疑問を感じるし、間違った方向で露骨に反日感情をむき出しにする中国人が大嫌いだ。自分自身、どういうふうに中国と付き合っていけばいいのだろうか?すごく矛盾を感じることが多々あるし、これは永遠のテーマになりそうだ。
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